2007年4月19日木曜日

長編8

「Snow Smile」

ある寒い日の事だ。俺は決して口数は多く無い文学系少女・・・。
正体は有機生命体云々なのだがそんな事はもう忘れそうなくらい普通の女の子。
長門と冬の道を歩いていた。
・・・・・・。沈黙。だがそれが心地よく感じるのは何故だろうな?
ハルヒや朝比奈さんと居る時には感じられない気持ちが長門と居る時にはある。
ふと気付くと長門が手を寒そうにしていた。手袋もしていなかった。
俺は少し恥ずかしい事を思いついたが思い切って口にしてみた。
「長門。手寒いだろ? 俺の右ポケットに入れていいぞ」
長門は・・・。僅かばかり頷くと俺のコートの右ポケットにそっと手を入れてきた。
長門の小さな手と俺の手がポケットの中で触れ合う。胸の鼓動が伝わってくる・・・。
そんな気にさえなる。俺はふと思った。
見渡す限りの白銀の世界。そこを二人で並んで歩き二人だけの足跡を印す。
とてもロマンティックな光景だと思う・・・。だが生憎雪は積もっていない。
その時長門が初めて口を開いた。
「・・・。雪が積もらなくてもいい・・・。今こうして貴方と居られるだけで私は幸せ・・・」
ああ。そうだな。夢物語なんて叶わなくても今こうしていられる事。
それだけで幸せだよな。
「貴方に出会えて本当に良かった・・・」ああ。俺も同感だぜ。
長門に会えた事で俺は本当の幸せってのを知ったんだからな。
俺たちはお互いの絆を確かめ合いながら雪の無い道を歩いていた・・・。

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