徹夜
今日は体調が悪い……。
普段なら睡眠時に体のメンテナンスを行うはずが 昨日は読書に夢中になり徹夜をしてしまった。
……迂闊。 休むという選択肢もあるが休むと彼にいらぬ心配をかける。
頑張って登校する事にする。
学校前の坂道。 彼が辛いといっていた気持ちが今日は分る。 必死に長い坂を登る。
もうちょっと……あと少し…… 次の瞬間 目の前が真っ白になった。
どうやら私は倒れてしまったらしい。 私は保健室のベッドに横たわっていた。
「お、気づいたか。よかったぜ」 私は自分の感覚情報を疑った。 確かに彼が居た。
「まだ頭すっきりしないのか?ボーッとしてるが?」 彼が心配している。何か答えなくては。
「大丈夫、心配しないで。もう平気」 私は上半身を起き上がらせる。
「びっくりしたぜ。坂道で声をかけようとしたら行き成り倒れるから……」
やはり私は倒れてしまったよう。
「慌てて保健室まで担ぎ込んだんだ。中々目を覚まさないもんだから心配したぞ。何かあったのか?」 ちょっと恥ずかしいが正直に話す事にする。 彼に嘘はつきたくない。
「なるほどな。長門らしいというか……いやいい意味でな。 でも出来ればこれからはもっと気をつけてくれよ?俺凄く心配したんだからな」 私は頷く。
そしてやっと気づいた太陽が傾きかけてる事に。
「もしかして授業……」 「あー。長門が心配な余り忘れてたぜ……まぁ気にするな」
とても嬉しい。私が起きるまで側にいてくれた。 それだけで幸せ。
「どうした?嬉しそうだが」 顔に出てしまったよう。迂闊。
「……何でもない」 彼は心配だからという理由で家まで付いてきてくれた。
たまには体調の悪いのもいいかもしれない。 そう思えた。
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